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筆者としてはコスパが悪いのにあえておすすめしている★2や★1から読んでいただきたい。

革小物・革靴

万双コードバン長財布エイジングレビュー|僕の3年間の歴史が詰まっています

万双コードバン長財布

コードバンは好きですか?

僕は大好きです。
財布はもちろん、靴もコードバンです。
そんな僕のコードバンの財布が3歳を迎えました。

ここで1年おきの写真を振り返ってみましょう。

過去のエイジング記録のリンクを貼っておくので、詳しくはこちらを見てください。

そこから更に1年経過してしまったわけです。早いですねえ。

購入から3年、ほぼ毎日持ち歩いたコードバンの長財布はどの様になったのか。写真をたくさん撮影したのでご覧ください。

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コードバンの魅力

その希少性や強度から「革のダイヤモンド」とも「キングオブレザー」とも呼ばれています。 簡単に言えば馬のお尻の革です。

「革のダイヤモンド」と称される程、希少価値が高く、従来の革と比べ突出した堅牢製と美しい光沢が特徴となります。農耕馬の臀部から採れる原皮を、じっくりと鞣した後、表裏から慎重に削り、組織の更に中央部にある綿密な繊維を削り出します。この繊維は厚さ2mm弱以上の層となっており、更に磨く様に丁寧に削り層だけを残します。これが「コードバン層」です。馬1頭から採れる量は非常に少なく、また製造に約半年を要する為大変貴重な皮革となります。万双では、その中でも厳選されたものだけを製品に採用しており、コードバン独特の質感と光沢を存分にお楽しみ頂けます。

万双公式サイトより引用

農耕馬の数自体が減少しており、希少性は年々増す一方。「いつか欲しい!」と思っているなら、きっと今すぐが一番安く手に入るでしょう。

馬のお尻だけなので大きい面積はとれず、カバンやレザージャケットには使われません。財布や靴などの小物でしか楽しむことができないのも、コードバンの特徴ですね。

ちなみにこの長財布は農耕馬1頭で2つしか作れないようです。そりゃ高価にもなるわ。

光沢のある質感

alden 99170 タッセルローファー

革の質感も独特で、エイジングが進むと光沢が出てきます。本当に何か色を塗ってるみたい。もちろんコードバンの仕上げによってエイジングは変わってきますが、長い目で見たときにエイジングがたのしめる革のひとつ。

エイジングが楽しいと言いましたが、コードバンは「エイジングがわかりやすい」わけではありません。どんどん変わっていくさまを楽しみたい方には、コードバンはあまり向かないかも。

上の写真のコードバンローファーの紹介はこちら▶【ALDEN 99170】27歳。コードバンのローファーを買いました。きついサイズを足に馴染ませていきます

脅威のハリ感

通常は財布を何度も開閉していると、財布の「背表紙」の部分にシワが寄ってしまうのが普通ですよね。

コードバンは細かいシワができないんです。さすが、「革のダイヤモンド」!その強靭さでしわが寄らないので、ひと目でコードバンとわかります。

高級革財布の双璧をなすのがコードバンとブライドルレザー。この財布を買うときにブライドルレザーと最後まで迷いましたが、この強靭さが決め手でコードバンに決めました。ブライドルレザーも徐々に希少性が高まってきているので、買い時ではあるんですけどね。

コードバンのデメリット:水に弱い

コードバンはえてして水に弱いです。濡らしてしまうと、水滴の形でふやけたようになってしまうそうです。気をつけたいですね。

僕の財布もよーく見ると、水ぶくれのようなものが数カ所できています。結露したペットボトルなどにカバンの中で触れてしまったのでしょうか。

他の革でも同じですが、たまに手入れが必要なのも人にとってはデメリットかも。
うすーくクリームをなじませるだけなので、全く手間ではないんですけどね。

購入から3年経過した万双のコードバン長財布

万双コードバン長財布
万双コードバン長財布
万双コードバン長財布

鈍い光沢を放つ、いい感じのコードバンになってきたと思います。2年の時点と撮影条件が変わっていますが、こころなしか光沢も増したように思います。

ここで過去のエイジング記録のリンクを貼っておくので、比べてみてください。

表面に細かい傷は結構できている

万双コードバン長財布

このように細かい引っかき傷はたくさんあります。

同じカバンの中に鍵など傷つけやすいものを裸で入れないように気をつけてもこのくらいはできてしまいます。

はじめて大きい傷ができたときは落ち込みましたが、これも使い込んだ証。自分だけの財布になっていく過程だと思えば自然と傷すらも好きになっていきました。

万双コードバン長財布

曲がる部分には全くシワができていません。さすがはコードバン。

革が柔らかくなってヘタった様子も認められません。コードバンの強靭さは3年経過しても健在なんですね。

ライニング(内装)のヌメ革も表情豊かに

ライニング(内装)には贅沢にもすべてヌメ革が使用されています。見えない部分は布生地・・・なんてこともありません!その分使い始めはカードの入れるのに苦労したものです笑

万双コードバン長財布

今やカードの凹凸がしっかり記憶されて、程よい力強さでカードを保持してくれるように。

ただし未だに上の写真右側の6枚のカード入れは完全に伸びたわけではありません。なぜなら6枚全てクレジットカードのようなプラスチックの厚みのあるカードを入れることはできませんから。

4枚はプラスチックの厚みのあるカードを、1枚は紙の薄いカードを、そして1枚分は何も入れず空きにしてあります。

万双コードバン長財布

ヌメ革は毛穴や血管などが確認できて1枚1枚が表情豊か。コードバンと異なりどんどん飴色に変化していき、表情の違いが際立っていきます。

うーん、楽しい。

さすが万双。コバはまだまだ美しい

万双コードバン長財布

職人の技術が現れるポイントの一つ、コバ。革の端の処理のことです。

3年使ってもコバが全く壊れる気配がありません。角の多少の削れこそありますが、ピタッとはみ出しもせず均一なコバが健在です。

万双ではコバの修理もしてくれるので、万が一のときも安心 。いつ修理に出すことになるのか全く想像も付きませんが。

話はそれますが、この薄さは魅力ですよね。スーツの内ポケットに入れてもシルエットが崩れません。小銭入れないし、札入れのマチもないからこそ実現できるこの薄さ。財布の薄さ、それはその男性のスマートさ

新しく購入した万双コードバン名刺入れと比較してみる

万双コードバン長財布3年を記念して、同素材の名刺入れを購入しました。

せっかくなので未使用と3年使用のコードバンを並べてみましょう。

万双コードバン長財布

やはり新品の名刺入れはマットな感じ。財布の方はテカテカとまでは行きませんが、静かに光沢を放っています。

万双コードバン長財布

3年使ってもこの状態で自立するコードバンの強靭さ、すごくないですか?

万双コードバン長財布

ライニングはどちらもヌメ革です。

万双コードバン長財布

こうやってみると新品の名刺入れのライニングもすでに色がついていますね。しかしどちらかというと、均一で乾いたような質感。

長財布のヌメ革はしっとりとした光沢を持っています。

万双コードバン長財布

全く傷がついていないコードバンも美しいですね。大切に使っていこうと思います。

財布と名刺入れがお揃いになって気持ちいい!詳しくは「万双コードバン名刺入れ購入!長財布と同素材で統一感抜群」でレビューしています。

無名革製品メーカー「万双」の紹介

マニアックで「知る人ぞ知る」的な革製品メーカーの万双。僕のお気に入りであることは伝わったと思います。

最後にメーカーの思想や購入方法について紹介します。

ロゴや主張は一切なし

写真を見ていただいたのでおわかりかと思いますが、商品に「万双」とわかるロゴやタグがありません。

なぜブランドロゴやタグが入っていないのか?

人様の鞄に自分のところの名前が入っているのがおかしいと思うからです。
お客様の手元にわたった時点でその鞄はお客様のもの。
そこに、作り手のくだらないエゴやプライドはいりません。

万双公式サイトより引用

あえて主張はせず、純粋に良い品質の商品を提供したい、という思いから来ているんですね。そういう姿勢が僕は好きです。

正直言って、万双のデザインはハイセンスでもスタイリッシュでもありません。でも余計な主張もせず、あくまでシンプル。長く使えるという点では最高のブランドではないでしょうか?

上野と神戸の直営店でしか手に入らない(それかネット)

万双は職人が丹精を込めて革製品を作り、それをどこにも卸さずに小さい直営店でひっそりと販売しています。百貨店では買えないんです。

その分、お求めやすい価格ながら品質はピカイチです。実際に上野の万双と銀座三越を往復して確認しましたが、万双の品質の高さと安さには正直驚きました。

アメ横にあるすんごい狭いお店なんですが、上野に行く機会があればよってみてください。店員さんと革について語り合うだけでも面白いですよ。

公式サイト▶万双 | 最高品質の革鞄 ダレスバッグ等の販売

今日のぐうの音

万双コードバン長財布

3年経ってコードバンもヌメ革も光沢が増してきました。小キズも増えて使用感が出てきましたが、ヘタってきた感じは全くありません。まだまだ使えそう。

毎年こうやって記録するたびにコードバンの強さに驚かされます。

名刺入れと長財布がお揃いになったことですし、これからもより一層大切に使っていこうと思います。

革のエイジング記録の記事一覧

「革のエイジング」を連載しています

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