富士フイルムのフジノンレンズ・XF16mm F1.4 R WRを購入しました。 3ヶ月ほど使用してみたのでレビューします。
作例とともに、このレンズにしかない魅力と気に入らない点の両方を紹介します。
より新しいXF16mmF2.8 R WRとの違いが気になる方は「【レビュー】フジノンレンズXF16mmF2.8 R WRを触ってみた!F1.4からの買い替えを検討してみる」も併せて御覧ください。
理系男子によるコスパ算出
大手メーカー勤務の筆者が、その経験をもとに製品の本当のコストパフォーマンスを評価するコーナー
価格の手頃感 | |
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生活への影響度 | |
長く使えるか | |
スペックに現れない価値 | |
所有する高揚感 |
総合コスパ:
センサーサイズの小ささをカバーする大口径レンズ。フルサイズ対応レンズよりも安くてコスパよし
>同じコスパ評価の製品一覧
「価格の手頃感」、「生活への影響度」が高ければ高いほどコスパも高くなり、逆に「スペックに現れない価値」が高くなるとコスパは低くなります。なお「所有する高揚感」はコスパ算出の対象外。
XF16mm F1.4 R WRの作例
まずはXF16mm F1.4 R WRの作例をご覧ください。ボディはX-Pro2です。
広角レンズ、ドーンっていう感じの写真撮れます。空のグラデーションもキレイ。
トゲトゲの光芒も。やっぱり絞るとカリカリで惚れ惚れします。ちなみにこの写真は露出ブラケットで数枚撮影してLightroomでHDR合成しています。雑草の立体感が失われていませんね。
広角なのでテーブルフォトにもぴったり。鎌倉のカフェです。
不自然なパースがつかないように多少離れて撮影、トリミングしています。
もしくは中央に配置すればゆがみませんね。一方で周辺に配置したコーヒーは歪んでいます。
記事の後半にもまだまだ作例は登場します。
XF16mm F1.4 R WRはかっこいいしボケるし寄れる広角単焦点
専用角型フードLH-XF16がかっこよすぎる
いきなり外観の話で恐縮です。XF16mm F1.4 R WRには専用の角型フードLH-XF16が用意されています。かっこいいのでその為に買う価値がある。見てくださいこのかっこよさ。
レンズキャップはXF35mm F1.4 Rと違って外れにくい作りなので安心してください。さすが後発のレンズですね。スライドして固定できるので、仮に満員電車に乗っても大丈夫。
広角なのに滅茶苦茶ボケる
X-Pro2を使う前はフルサイズのデジカメを使っていました。広角域はF4のズームレンズ。フルサイズとは言えど、ボケを生かした撮影を積極的にしたくなる構成ではありませんね。
それがXF16mm F1.4 R WRならフルサイズ換算なら
- 焦点距離は24mm相当
- 開放絞りはF2相当
と従来より2段も明るくなる計算。当然フルサイズ対応の24mm F1.4には劣りますが、それでも僕にとっては驚きの被写界深度の薄さ。そしてそれは趣味レベルであれば多くの人にとっても同様でしょう。
広角なのに被写体が浮き出るような感覚はとても新鮮でした。
ただしボケていても広角なので背景には多くのものが写り込みます。中望遠のような背景整理は期待できないので注意してください。
滅茶苦茶寄れるから更にボケる
最短撮影距離は15 cmです。この数字はセンサーからの距離なので、レンズの先端からの距離(ワーキングディスタンス)はさらに小さくなります。レンズフードに触れるか触れないかくらい。ちなみに換算24mmで最短撮影距離15cmは世界初らしいです。
この寄れるという特性のおかげで、さらに大きなボケを得やすくなります。
広角で寄るとパースが強調され面白い画になります。道端の花を撮ったり、食事を美味しそうに撮影したり、あなたの発想次第で見たことのない写真が撮影可能です。
「寄れる」を生かす、防滴防塵
XF16mmF1.4 R WRは名前に「WR」とある通り、防滴防塵仕様です。雨天での撮影はもちろんのこと、快晴の日であっても防滴防塵は仕事をします。
このレンズが寄れ過ぎてしまうためです。
カフェでコーヒーに寄ればレンズは湯気を浴びます。革で水面に寄れば水しぶきを浴びます。強風の中、路傍の花に寄れば砂埃も浴びるでしょう。XF16mm F1.4 R WRは防塵防滴だからこそ、安心して被写体に近づくことができます。
「雨の日は写真撮らないし」って人でも、防滴防塵はありがたいはず。
XF16mm F1.4 R WRは少々重いのがデメリット
金属製の角型フードをつけているせいもありますが、単体でも457 gとAPS-Cの単焦点レンズとしては重め。
X-Pro2と合わせると約1 kgです。このくらいの重さになると、首からかけて歩くとみぞおちに当たってやや辛い。
「【レビュー】フジノンレンズXF16mmF2.8 R WRを触ってみた!F1.4からの買い替えを検討してみる」という記事でも書いていますが、XF16mm F2.8 R WRが羨ましいなあ。
今日のぐうの音
距離指標付きのフォーカスレンズもなかなか便利。絞って無限遠まで合焦するフォーカス位置にしておいて(F8でフォーカス位置5mとか)、ピンと気にせずノーファインダーでスナップパシャパシャも実に楽しいです。
富士フイルムって撮れる写真はもちろん、レンズを眺めてるだけでも楽しいし、操作も楽しい。撮影する体験を上質なものにしてくれる感じがとっても気に入っています。
個人的には角型フードLH-XF16があってのXF16mm F1.4 R WRだと思うので、一緒に購入することをおすすめします。
フィルター系は67mm。広角レンズではケラれる可能性があるため、下記リンクのような薄枠タイプを使いましょう。