最近話題になる新製品はワイヤレスイヤホンばかり。当ブログでも完全ワイヤレスイヤホン(TWS)をレビューしている。ワイヤレスイヤホンが便利なことは火を見るより明らかだ。
そんな中であえて優先のイヤホンを選ぶ理由は何だろうか。やはり音質に対するコストパフォーマンスだろう。高価格帯ではTWSの音質、遅延ともに目を見張るスピードで進歩している。一方で低価格帯のTWSは「とりあえず音は鳴る」という印象だ。電車などでの移動中のBGMならそれでも気にならないが、腰を据えて鑑賞するツールも持っておきたい。
有線派の人はもちろん、利便性重視でTWSをメインで使っているあなたもリファレンス機として有線の音質に全振りしたモデルを所有しておくと、より音楽鑑賞を楽しむことができる。
SIMGOTのインイヤーモニター(イヤモニ)型イヤホンMEETURE MT3 PROが安価なのに無線としっかり差別化できるほどの高音質だったので紹介する。
※メーカーより商品を提供していただきました。
- ドライバー:シングルダイナミックドライバー
- 再生周波数帯:15Hz – 40kHz(ハイレゾ対応)
- 装着方式:SHURE掛け
- ケーブル端子:2pin
- イヤーチップ:3サイズ×2種類付属
理系男子によるコスパ算出
大手メーカー勤務の筆者が、その経験をもとに製品の本当のコストパフォーマンスを評価するコーナー
価格の手頃感 | |
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生活への影響度 | |
長く使えるか | |
スペックに現れない価値 | |
所有する高揚感 |
総合コスパ:
1万円以下でイヤモニ型を手に入れられるなんて、いい時代だなあ
>同じコスパ評価の製品一覧
「価格の手頃感」、「生活への影響度」が高ければ高いほどコスパも高くなり、逆に「スペックに現れない価値」が高くなるとコスパは低くなります。なお「所有する高揚感」はコスパ算出の対象外。
SIMGOT MEETURE MT3 PROレビュー
同梱品で注目したいのはイヤーピース。2種類附属している。詳しくは後述するが、これがなかなか面白かった。音質の傾向がまるで変わるので驚いた、まるで2つの全く異なるイヤホンを使ったかのようだった。
男子はみんな大好きなスケルトンボディ
スケルトンボディはゲームボーイカラーの頃からみんな大好きだと思う。SIMGOT MEETURE MT3 PROは全てのカラーでスケルトン。
配線や先述のダイナミックドライバーを確認できる。眺めているだけで時間が過ぎてしまうガジェットは本当に楽しい。このイヤホンを手にしたらまずは外観を存分に楽しんで欲しい。
ちなみにケーブルはピンクがかっているので、色はピンクかクリアがおすすめだ。
ネジネジケーブルは取り回し良好
ワイヤレスイヤホンが大流行している理由に、やはり取り回しの楽さが挙げられるだろう。有線イヤホンだとケーブルが絡まっているだけで音楽を聴く気が失せる。
そこで役に立つのがこのネジネジのケーブル。高級イヤモニにもよく採用されているタイプで、普通のケーブルと比較して圧倒的に絡まりにくい。そして万が一絡まっても、いとも簡単に解くことができる。
この価格でリケーブル可能
ケーブルが絡まなくて素晴らしいということは前項で述べたとおりだが、なんとリケーブルにも対応している。
実のところリケーブルによる音質変化に懐疑的なところはある(僕の耳が悪いだけかもしれないが)。しかしリケーブルできるに越したことはない。断線が怖くなくなるからだ。
端子はMMCXの次に手に入れやすい2pinコネクタなので不足はないだろう。余談だが、僕が所有しているSHURE SE215もWestone B30もMMCXのため、個人的にはMMCX推しなのだが。
SIMGOT MEETURE MT3 PRO音質レビュー
イヤホン本体のクォリティはかなり高いことがお分かりいただけたと思う。肝心な音質については・・・是非期待して欲しい。詳しく解説していく。
10 mmの大型ドライバーで迫力のある音作り
10 mmのダイナミックドライバを搭載している。10 mmというとイヤホンでは大口径で迫力のある音が期待される。多少ハウジングは大きくなっているものの、このドライバを詰め込んだな、という印象を受けた。
音質に関してはイヤーピースの項で後述するが、かなり高水準と言って差し支えない。ダイナミックドライバーの実力を遺憾なく発揮している。ダイナミックドライバーの音が好きな人なら、この価格帯なので気軽に試してみて欲しい。
2種付属するイヤーピースで音の変化を楽しめる
- せっかく新しいイヤホンを買ってみたのに、今まで使っていたものと音の違いがイマイチわからなかった経験がある・・・
- 新しいイヤホンをネットで買ってみたいけれど、自分の好みの音か不安・・・
イヤホンが好きなあなたなら、上記のように考えたことが必ずあると思う。僕もイヤホンを買うたび毎回それで悩む。でもSIMGOT MEETURE MT3 PROなら大丈夫。初めからイヤーピースが2種類付属していて、好みの音がなるほうを選べるからだ。
基本的な構造は同じで、材種が異なるようだ。これで本当に音質が変わるのか半信半疑だったが、結論から言うとどちらのイヤーピースを使用するかで音質が全く異なる。
イヤーピースを変えた時の音の変化は、誤解を恐れず言えばイヤホンを変えるよりわかりやすくて驚いた。さすがは専用設計といったところ。
音の良し悪しは各人の好み、という前提のもと、個人的な感想を言わせてもらう。
まずは高域強調型のイヤーピースを使ってみた。正直スカスカで、音が全然足りてないような気がした。エイジング前ということもあるが、この音をどのようにレビューしようか悩んだ記憶がある。
次にもう一方のバランス型イヤーピースを使ってみた。いい意味で驚かされた。高域強調型のイヤーピースでは聞こえなかった楽器の音が、これでもかというほどに響くのである。低音から高音までしっかり鳴って、ノリの良い好みの音になった。
そしてもう一度高域強調型のイヤーピースに戻してみたら、「なるほど」と唸った。これはこれで良い。ボーカルが澄んで、一歩近づいた感じだ。聞きたい音にしっかりフォーカスされていて、長時間聴いていても疲れない。ノリが良い音作りとは言い難く好みは分かれるが、こちらは高音域の伸びが素晴らしく、個性がはっきりしている点に好感を覚えた。
遮音性はそこそこ
イヤモニの形をしているため、アクティブノイズキャンセリングに頼らない遮音性の高さ(アクティブノイズキャンセリングに対し、パッシブノイズキャンセリングとも言われる)にどうしても期待してしまう。物理的に外部の音をシャットアウトするため、流している音楽に干渉する心配がない点が、遮音性が高いことの(ノイズキャンセル機能にはない)メリットだ。
通常のカナル型に比べれば、イヤモニを模した形状なので遮音性は高いことは確かだ。しかし僕が所有する他のイヤモニ型のイヤホンに比べれば遮音性は劣る印象だ。ハウジングが大きいため耳へのフィッティングが多少悪いのが原因かもしれない。大型ドライバーとのトレードオフなら仕方がない。
高すぎる遮音性ゆえ僕はイヤモニ型のイヤホンをつけたまま屋外を歩こうとは思えないが、これならギリギリ許せる。車の接近は気づけるくらい。
もちろん音楽の音量や使用するイヤーチップにも依存するし、仮に遮音性の低いイヤホンであっても自転車などの運転中の仕様は厳禁だ。
今日のぐうの音
個人的に最も印象的だったのはイヤーピースで音質の傾向がこれほど変わるのか、という点。繰り返しになるが、まるで2種類のタイプの違うイヤホンを手に入れたようだった。そう考えると、とんでもないコスパなのかもしれない。
イヤモニ型らしい、(ケーブルがピンクがかっているということを除けば)外見も満足いくイヤホンで、どうやってこの価格を実現しているのか想像がつかない。
忘れてはいけないのが、どちらのイヤーピースでも破綻のない音をしっかり鳴らす実力を持ったイヤホンであるということだ。1万円以下でここまでできるのかと素直に驚いた。
- 自宅用に音質に全振りしたイヤホンが欲しい
- 外出時も有線で高音質を楽しみたい
もしあなたが上記のように考えているなら、きっとぴったりなイヤホンなので是非チェックしてみて欲しい。
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